「就職準備生が集まっているインターネットコミュニティで、インターン経験があるという人たちのコメントを見ると、大手企業のインターン採用競争率は数百倍にもなります。地方の某格安航空会社のインターン採用競争率が180倍だったというニュースも聞きました。インターンになるためには、就職と同様に、関連書類を提出して筆記試験と面接も受けなければなりません」

「特にインターン用の自己紹介文は形式が定められた入社試験用とは異なり、自由に書きたい内容が書けるので作成スキルが非常に大事です。私は夏休みから、インターネットコミュニティで出会った人たちとスタディーグループを作りました。4~5人で定期的に会って、それぞれの自己紹介文を評価し合い、アドバイスする勉強会です」

使い捨てされる「ティッシュインターン」

正社員への転換率が高く、経歴にも大いに役立つ大手企業や公共企業のインターンは「金ターン(金+インターン)」と呼ばれる。金のように貴重なインターンという意味だ。「貴族インターン」とも言われる。

一方で、中小企業のインターンなどでは、人手不足を補うため単純作業ばかりさせられるケースが多く、わずかな月給で、残業はもちろん、週末まで勤務しなければならない場合も少なくない。

首都圏にある大学の国文科を卒業して、現在、公務員試験の勉強に励んでいるキム・ソンギュンさん(30歳)は、3年前、ある雑誌社で3カ月間、無給インターンをした。

「4年生の時、教授の推薦で雑誌社にインターンとして入ったのですが、給料はまったくもらえませんでした。最初から給料はないという話は聞いていたので、ある程度覚悟はできていたつもりだったのですが、交通費や食事代まで自腹だったので、経済的に大変でした。経験を積むことができるかなと思っていたのですが、資料のコピーや車の運転、記者のインタビューのテープ起こしなど、単純作業ばかりでした。結局、経済的な問題と、就職には役に立ちそうもないと判断し、会社からはインターン期間の延長を提案されましたがお断りしました」

キムさんが経験したようなインターンを指す言葉として、「土ターン」(土+インターン)、あるいは「ティッシュインターン」という流行語がある。

「土ターン」は、韓国の若者の間で最下層を示す「土のスプーン」と「インターン」の合成語だ。「ティッシュインターン」は、ティッシュのように一度使って簡単に捨てられるインターンという意味だ。