都内の男子校の目まぐるしい栄枯盛衰

続いて、男子御三家以外の都内の学校を見ていこう。偏差値変動の大きな学校にスポットを当てて、その変動理由とともに簡単に紹介していきたい。

注目すべきは、巣鴨と本郷という近隣にある2校に「負の相関」が見られることだ。つまり、本郷のレベルが上がれば上がるほど、巣鴨はそのレベルを低下されるという現象があるのだ。1985年度の本郷の偏差値は49(表には反映できない)であったのに対して、2019年度は60と11ポイントも上昇している。それに対して巣鴨は68から52と実に16ポイントも落としているのである。

巣鴨の人気が凋落したのは冬の寒稽古に、夏のふんどし姿でおこなわれる遠泳をはじめ、徹底した管理教育が保護者から敬遠されたことが要因だという指摘が多い。一方、本郷はどちらかというと生徒たちの自主性を重んじた教育をおこなっており、生徒と教員の距離が近い。時代が本郷のような教育を求めるようになった結果なのかもしれない。ただし、その巣鴨は入試回数を増設するなどして巻き返しを図っている。今後注目である。

私立中学の勝ち組と負け組は毎年変化

その他、4ポイント伸長している芝も注目だ。進学校としては比較的穏やかな校風であり、中学生たちは勉学よりも部活動に励む子のほうが多い、そんな雰囲気の男子校である。一方、10ポイント下げている桐朋と暁星も気になるところだ。

桐朋の凋落は同じ多摩地区の早稲田実業が共学化したり、早稲田大学の付属である早稲田大学高等学院中等部が開校したり、都立高校の人気が復活したりといくつかその原因は考えられる。

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数年前より入試回数を増やすなどして桐朋は巻き返しを図り、いまは徐々に人気を取り戻している。暁星は幼小中高一貫教育をおこなうブランド校として知られているが、中学からの入学ではどうしても「外様」の感覚を抱いてしまうのではないかという危惧があるのだろう。別の中高一貫校にシフトする家庭が年々増えているのではないかとわたしは分析している。

首都圏男子校事情を改めて分析してみてわかったこと。それは、親世代の「受験常識」で学校選びを安易に考えてはならないということだ。受験地図は毎年変化している。子の志望校を熟考する際には、わが子が卒業するときのその学校の姿を予測することも大切である。ぜひ、多くの学校に足を運び、各校の魅力を探ってほしい。

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