例えば体ががっちりしている人であれば、寝返りを打つ際に腰を支えるために、寝台にはある程度の硬さが必要になります。逆に小柄な女性であれば、それより柔らかくてもいいわけです。しかし、硬い、柔らかいというのは、適度な範囲内での話になります。

柔らかすぎる寝台というのはベッドに多いですよね。腰が沈んで、いわゆる「くの字」、スプーンのような姿勢で寝ると腰に負荷がかかります。逆に硬すぎると、今度は背骨が反って筋肉が緊張し、これもまた腰痛の原因になります。

枕に求められる3つの条件

寝台にはこのように適度な硬さが求められますが、さらに重要なのが枕。スムーズな寝返りを打てる枕の条件というのは1つではないわけです。

まず大切なのが、その人の体格に合った高さ。人間には肩幅・肩の厚みがあるので、上向きで寝ているときも横向きで寝ているときも肩の分の高さを支える必要があります。2つ目はその高さを一晩中維持できる硬さ。3つ目は表面がフラットであるということ。

ふかふかの枕は、頭が沈んですぽっとハマるような感覚があり気持ちがいいのですが、そこから頭が動きづらくなり、寝返りを打つ妨げになってしまいます。

また、プラスチックチップ、そばがらなど細かいものがたくさん入っているような枕は地獄。その素材が重みによって分散していくので頭が沈む原因になります。就寝中に枕を平らに直したり、中の素材を寄せたり、無意識に調整することになり、眠りが浅くなってしまいます。

また、枕を折り曲げて使ってしまう人がいますが、これをすると、輪になった部分はどうしても高くなり、反対側は低くなる。そうなると、表面はフラットになりません。

自分の体に合った寝台と寝具を準備して、スムーズな寝返りをしっかりと打つことができれば、寝違えによる首などの関節の痛みや、朝起きたときのだるさなどの悩みは解消されるはずです。

【結論】いかにスムーズな寝返りを打てるかですべてが決まる

(撮影=藤中一平)
【関連記事】
「おにぎり2個とジュース」が最悪ランチな理由
看護師の妻と暮らす夫は最強の「勝ち組」
酒をたくさん飲んだ翌朝、気分が落ち込むワケ
東大生あるある"ベッド上が散らかって汚い"訳
人間は「早起きの習慣化」では朝型に変われない