コンサルタントは何でも知っていて、どんな難問にも答えを出せるスーパーマンのような存在だと思っている人は多い。だが、コンサルタントは答えを出すことが仕事ではない。一つ上の「選ばれるコンサルタント」になるには、どうすれば良いのだろうか?
答えを出すことと答えに導くことの違い
前回は、専門性を磨きさえすれば良いコンサルタントになれるわけではないことをお話しました。クライアントの話を引き出し、洞察し、大局的に考えること。今回も、こうした汎用的なスキルに関する話をします。「答えを出すこと」と「答えに導くこと」の違いについてです。
ロジカルシンキングの話か?と思われるかもしれませんが、違います!確かに、いかに思考し答えにたどりつくかは、個人にとって、とても重要なスキルです。ですが、いかに個人で答えを見つけたとしても、クライアントが動いてくれなければ、あまり意味がないのです。
実は、動いてもらうためには、クライアントが自らの力で答えにたどりつけるように導くことが大切なのです。これを実践できるコンサルタントは、一つ上のスキルを持っていると言えます。
コンサルタントが答えを出すことはよいことなのか?
実際には、クライアントから「答え」を求められるケースはとても多いと思います。ある事業に参入するのか、業務のボトルネックを解消するにはどうしたらよいか、組織を活性化するにはどうしたらよいかなど、さまざまな問題に対して答えを求められます。
これに対してコンサルタントが
「御社はA事業を撤退し、B事業に参入すべきです。その際に、事業部主体の組織から、社長室主体の組織へと、トップダウンのカルチャーに変えるべきです」
などと力説したとして、クライアントはすぐに信じてくれるでしょうか?
まあ、ある程度、信頼されている場合だったら、参考意見として尊重はされるでしょう。でも信頼があまり高くない場合には
「外の奴が適当なこと言いやがって!!!」
と反発されるか無視されるのが関の山です。これではせっかく、コンサルタントが出した答えはまったく活きません。
では、どうすれば良いでしょう?