日本各地で透けて見えるIR利権

2019年8月22日、横浜市の林文子市長がカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を正式表明した。林市長は「持続的発展には必要」とIR誘致に前向きだったが、2年前の市長選では「IRは白紙」としていた。ここへ来て誘致参戦を明確にした理由について、人口や税収の減少による厳しい財政状況を挙げている。世界的に見てIRの経済効果は薄れてきているので、これはとってつけたような詭弁であり、真実は外交や政治の藪の中、ということだろう。

アメリカ軍が今も占領する港湾施設「ノースピア(横浜ノース・ドック)」。(時事通信フォト=写真)

候補地は観光スポットの山下公園に隣接する47ヘクタールの山下埠頭。現在は港湾事業者の倉庫などが並んでいるエリアだが、2020年代後半の開業を目指すという。