昭和時代のリーダー像はもう古い!

僕が大阪府知事や大阪市長に立候補する際には、自ら立候補したので、しっかりと府政、市政について勉強し、準備していた。

しかし小泉さんの場合には、安倍さんからの突如の任命だったので、環境大臣としての準備が十分にできていなかったと思う。ゆえに、まだ「自分はこれをやりたい」という小泉さん独自の環境ビジョンがきっちりと確立していないのだと思う。先ほども述べたが、環境省の職員に対して「私を使って欲しい」と訓示したのはその表れだ。

橋下 徹『トランプに学ぶ 現状打破の鉄則』(プレジデント社)

組織のトップに立った時に、部下に「自分を使って欲しい」と言うのは、昭和の時代の良きリーダー像だ。古い! これは38歳という年下の者が、年上の部下を持つ場合に、かつてはお手本とされたメッセージの出し方だ。そう言えば、民主党が政権を奪取した際の鳩山由紀夫首相も「自分はオーケストラの指揮者のような役割をしたい」と言っていた。現場をしっかり調整していく役割を担う、と。これらは、「自分は独断・横暴にやりませんよ」「部下の気持ちに『寄り添い』ますよ」というメッセージなのだろうが、これからの時代は、トップのリーダーシップが求められるので、このようなメッセージでは物足りない。

「自分は○○をやりたい。だからその実行のために力を貸して欲しい」

これが、これからの時代のリーダーが部下に発すべきメッセージだ。部下に使われるリーダーではなく、部下を使うリーダーでなければならない。

(略)

(ここまでリード文を除き約2700字、メールマガジン全文は約9800字です)

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.168(9月17日配信)を一部抜粋し、加筆修正したものです。もっと読みたい方はメールマガジンで! 今号は《【38歳・小泉大臣(1)】これからは国民に「寄り添う」だけではダメ、権限をフルに使って課題を解決する政治家に!》特集です。

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