1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決された」はずなのに、韓国の大法院(最高裁)において韓国人元徴用工による日本企業への損害賠償請求が認められた「徴用工判決」。歴史的な日韓関係の悪化はそこから始まった。日本側からは噴飯ものに見えるが、なぜ韓国の裁判所はそのような判決に至ったか。解決の手がかりを橋下徹氏が提示する。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(9月3日配信)から抜粋記事をお届けします。

日韓関係でも応用できる「和解の技術」

写真=iStock.com/Juanmonino
※写真はイメージです。

韓国大法院(最高裁)による徴用工判決から、日本政府による輸出管理手続きの厳格化(韓国をホワイト国から除外)に突入し、そしてついには韓国によるGSOMIA(軍事情報包括保護協定)の破棄と、日韓関係が悪化の一途をたどっている。

前号(Vol.165【超緊迫・日韓関係(1)】自分のプライドを守りつつ相手を利用するには)では、膠着した両国関係を改善するためには、過去の経緯にこだわり相互の関係を完全に絶って利益を放棄するのではなく、相互にプライドを保ちながら利益追求する方策を探るべきだと論じた。

今回は、そのための具体的な「和解の技術」を述べたい。

(略)