ハーバード生も芸術を学んでいる

たとえ売り上げ1兆円の企業の社長でも、アートにまったく関心がないと、海外では「教養のない人」と見られることが多いと耳にします。

アメリカのハーバード大学では、1年生のカリキュラムに「コンセプチュアル・アート」の授業があるそうです。コンセプチュアル・アートとは、作品に描かれる事象そのものよりも、その背景にある思想やメッセージを重視する芸術のこと。海外では、ビジネスパーソンに必須の教養の一つとして、アートが位置づけられていることがわかります。アートリテラシーを身につけた人は、「文化的感性のあるグローバル人材だ」と見なされるのです。

美術作品ビジネスマンの共通言語だ

2017年5月、バスキアの作品をオークションで落札したスタートトゥデイ(現・ZOZO)社長の前澤友作さんが話題になりました。GMOインターネット代表取締役会長兼社長の熊谷正寿さんも、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役社長兼CEOの増田宗昭さんもアートコレクターです。ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長の柳井正さんも作品をコレクションしています。

石川康晴箸『学びなおす力 新時代を勝ち抜く「理論とアート」』(PHP研究所)

日本の経営者がアートを買うようになったのも、海外のCEOや起業家とのあいだで、アートが共通言語の一つになっているからです。

初対面でも一緒に作品を見るだけで、相手を身近に感じるというのもアートの魅力です。一緒に仕事をしてみたいと思う相手がいたら、美術館などに誘ってみるのもいいかもしれません。

また、経営者に限らず、ビジネスパーソンも、仕事や人間関係を円滑にするために、アートを活用してみるといいでしょう。たとえば、終業後にプロジェクトチームのメンバーと一緒に、遅くまで開いている話題の展覧会に足を運ぶ。その後、飲みながら作品について語り合うというのはいかがでしょうか。アートは組織の活性化、コミュニケーションの向上にも一役買うと思います。

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