朝日社説は「文政権は、米軍が持つ有事の際の指揮権を韓国に早く移すよう求めるなど、かねて自主防衛を強調してきた。もし今回の決定に、協定の破棄を求める北朝鮮への配慮があったならば、日米と韓国との間に深刻な溝を生んだといわざるをえない」とも書く。
「韓国文政権の北朝鮮への配慮」とはこれもおもしろい発想だ。ただ文在寅というあの大統領のこれまでの行動を考えると、「配慮」も否定はできない。
朝日社説らしい「喧嘩両成敗」でいいのか
ただ朝日社説の後半部分方には、朝日らしさも残っている。
「安倍政権は輸出規制強化の理由に安全保障面の問題を掲げたが、今回の文政権はそれを逆手に協定破棄に踏み切った。歴史問題から、経済、安保へと広がる対立の連鎖を断ち切らなくてはならない」
安全保障の問題を盾にして攻撃し合う日本の安倍政権と韓国の文政権の双方を批判する。朝日社説らしい喧嘩両成敗である。しかも朝日社説がよく使う「対立の連鎖」まで持ってくいるところなどは読んできて鼻につく。見出しも「日韓情報協定 対立拡大の連鎖を断て」だ。
朝日社説の最後は徴用工問題を取り上げている。
「文大統領は今月、植民地支配からの解放を祝う日の演説で、厳しい日本批判を控えた。だが報復合戦の根本にあるのは徴用工問題であり、この懸案を少しずつでも進展させなければ関係改善は望めない」