「北朝鮮や中国を喜ばせる愚挙」と書く産経

日韓関係の悪化で歯切れのいい社説(主張)を書くのが産経新聞である。8月23日付の産経社説はこう主張していた。

「北朝鮮に核・ミサイル戦力を放棄させなければならないのに、破棄はそれに逆行する。日米、米韓同盟の不安定化を望む北朝鮮や中国を喜ばせる愚挙で、極めて遺憾だ。日本政府が文政権に抗議したのは当然である」
「北東アジアの安全保障に責任を果たすつもりなら文政権は翻意し、協定を更新すべきだ」

見出しも「韓国の協定破棄 北朝鮮を喜ばせる愚挙だ」である。

韓国は核・ミサイル開発を止めようとしない北朝鮮をどう考えているのか。産経社説は「文政権は翻意し、協定を更新すべきだ」と訴えるが、賛成である。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領はGSOMIA破棄を強く反省すべきだ。

産経の主張は日本政府と同じだが…

産経社説は「韓国大統領府の高官はGSOMIA破棄の理由について、日本が輸出管理の優遇国から韓国を外したことを挙げ、安全保障協力の環境に重大な変化をもたらしたからだと語った」と指摘し、こうも主張する。

「だが、これは破棄の合理的な理由になっていない。日本が対韓輸出管理を強化したのは、日本製品が不当に兵器転用される恐れが拭えないからである。優遇措置を得たければ、日本の信頼を取り戻す具体的行動をとれば済む話だ」

この主張、日本政府の言い分とほぼ同じだ。表面的には兵器転用の危険性の問題が介在するが、真相は違う。日本が韓国向けの輸出を厳しく管理したのは、明らかに徴用工訴訟の問題を無視し続けた韓国の文政権に対する抗議なのである。