「超」メモ帳で用いる分類法は「キーワード方式」

分類方法の第2は、文書にキーワード(ないしはタグ)をつけ、それを用いて検索するという方法です。これを「キーワード方式」あるいは「タグ方式」と呼ぶことができます。「超」メモ帳では、この方式をとっています。

一般に、デジタルな文書や資料は、この方式によって分類することができます。この場合には、1つの対象に複数のタグをつけることができ、しかもそれらの間に上下関係(あるいは前後関係)がありません。したがって、1つの文書が複数の属性を持っていたり、仕事の内容や問題意識が変わることに対して柔軟に対応できるのです。

例えば、「IT企業への課税」の原稿は、「税」と「IT」のどちらのキーワードで検索してもヒットします。ヒット件数が多い場合には、“and検索”すれば対象が絞られます。また、高齢化社会の原稿が多くなれば、これまで書いた原稿は「高齢化社会」というキーワードを付け加えることで対処できます。

とにかく「クラウド」を活用しよう

紙の書類の時代には、カスケード方式をとらざるをえませんでした。『「超」整理法』を書いた1993年には、デジタル情報は使われていましたし、PCにあるファイルの検索も可能であったのですが、and検索ができないなど検索機能が十分でなかったために、カスケード方式をとらざるをえなかったのです。

ところがその後、データをクラウドに上げて高度な検索を利用することが可能になったため、キーワード方式による分類が可能になりました。

デジタル情報であっても、PCやスマートフォンなどの端末に置いてある情報をキーワード方式で管理するのは困難です。キーワード方式を利用するためには、データをGメールやグーグルドキュメントなどのクラウドに上げる必要があります。これらは、誰でも利用できるクラウドストーレッジです。

野口 悠紀雄(のぐち・ゆきお)
一橋大学名誉教授
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2017年9月より早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問。一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。近著に『入門 AIと金融の未来』『入門 ビットコインとブロックチェーン』(PHPビジネス新書)など。
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(写真=iStock.com)
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