何でも残し、後から引き出すためのフックをつける

キーワードを書く場所は、文書中のどこであってもかまいません。トップに書けば見やすいでしょうが、邪魔になるようなら、文書の最後でもかまいません。最初に文書を作るときに属性キーワードも一緒に書き込んでおきますが、後で閲覧したときに追加することもできます。

野口悠紀雄『「超」AI整理法 無限にためて瞬時に引き出す』(KADOKAWA)

検索をする場合は、本文中にあると考えられるキーワードと「属性キーワード」を組み合わせます。例えば、「フィンテック 2019年4月1日 原稿メモ」をキーワードとします。

属性キーワードはいくらでも設定できます。1つのファイルに複数あってもかまいません。そのほうが目的のファイルを探し出しやすくなる場合が多いでしょう。

ただし、属性キーワードをあまりたくさん作ると、そうしたキーワードを作ったことを忘れてしまうので、実際には役立たないことになります。これを避けるためには、属性キーワード一覧のファイルを作っておくとよいでしょう。

「超」メモ帳では、書いたこと自体を忘れてしまった原稿の下書きや、メモなども引き出すことができます。こうしたことができるのは、驚きであり、快感です。

不要になったものを捨てようとするのではなく、あるいは後で必要となりそうなものだけをメモするのではなく、とにかくなんでも残す。ただし、後から引き出せるようなフックをたくさんつけておく。これが、「超」メモ帳の基本思想です。

重要でないファイルにキーワードはつけない

「超」メモ帳を使いこなす最も重要なポイントは、キーワードの設定です。これをうまく設定しないと、使いたいファイルを引き出せなかったり、重要なファイルを見失ったり、という混乱状態に陥ります。

厄介なのは、あまり重要でないファイルにやたらとキーワードを書き込んでおくと、検索するときの雑音になってしまうことです。例えば、原稿執筆用には役立たないファイルに「原稿メモ」という属性キーワードを書き込んでおくと、「原稿メモ」で検索したときに、このファイルも引き出されます。ところが、これは雑音でしかありません。したがって、重要でないと判断したファイルには、属性キーワードは書き込まないことにします。

重要なファイルにはたくさんのキーワードをつけて、どれかで引っかかるようにします。それに対して、重要でないファイルにはキーワードをつけません。そうすれば、捨てたのと同じようなことになるのです。