クラウドに溜め込んだ資料を、楽に引き出すにはどうしたらいいか。「超整理法」シリーズなどで知られる野口悠紀雄氏は、「膨大な量のデータを使いこなすには、的確な検索が欠かせない。あらかじめ少しだけ準備することで、検索精度を上げることができる」と説く。そのやり方とは――。

※本稿は、野口悠紀雄『「超」AI整理法 無限にためて瞬時に引き出す』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Jae Young Ju)

検索ワードも音声入力で済む

AIのパタン認識技術とデータのクラウド保存、そしてスマートフォンによるコンピュータの小型化、という3つの技術が使えるようになって初めて可能になった「超」メモ帳は、「AI時代のメモ帳」です。「無限」と言える量の情報を扱うことができるため、これまでのメモ帳とは比べ物にならないほど強力なものとなります。

無限と言える量の情報を扱うためには、「検索」が鍵を握ります。スピーディで的確な検索ができなければ、「超」メモ帳は、ポテンシャルをまったく発揮できないのです。

「超」メモ帳で目的のファイルを見いだす基本的な方法は、キーワード検索です。キーワードとしては、まず、ファイル名と本文中の言葉があります。この他に、本文中に検索用のキーワードを書き込んでおけば、検索の効率を向上させることができます。グーグルドキュメントの場合、このキーワードは音声で入力できるので、簡単に書き込めます。

ファイル名と同じキーワードを書いても検索の効率が上がるわけではないので、別のものを選びます。また、本文中に入っている言葉は、もともと検索の対象となっているので、キーワードとして新たに設定する必要はありません。

「属性キーワード」を設定する

検索用のキーワードとして新たに設定すべきものは、本文には入っていないが、その文書の性格を示す、ある程度一般的な言葉です。これを「属性キーワード」と呼ぶことにします。

私の場合には、日付とそのファイルの使い途を示す言葉です。例えば、「2019年4月1日 原稿メモ」というようなものです。なお、音声入力アプリは日付を誤変換することなく常に正確に認識してくれます。そこで、日付だけでなく、長めにして年月も入力するのがよいでしょう。

このほかに、つぎのような属性キーワードを使っています。原稿資料、原稿データ。本を書いている場合には、仮のタイトル。あるいは出版社名です。

利用を拡大した場合には、それぞれのカテゴリー名を属性キーワードとします。つまり、「新聞見出し」「TODOメモ」「携帯品メモ」「日記」「リンク集」などを属性キーワードとします(ただし、こうした言葉は本文中にもあるので、キーワードとしてうまく機能しない可能性があります)。

会社で仕事をしている方なら、定例会議資料、企画書資料といった属性キーワードが使えるでしょう。プロジェクト名も有効です。あるいは、連絡先の部局名や企業名であってもよいでしょう。