インターネット上の「犯行予告」と関係はあるのか

産経新聞の社説(主張)も7月20日付だ。脅迫についてこう書く。

「同社には数年前から『死ね』と記されたメールなど苦情や脅迫が会社に複数届いていたという。インターネット上には犯行予告と読める書き込みもあった。これらが犯行と結びつくものか、慎重に見極めなくてはならない」

慎重な見極めは必要だ。だが、仮に今回の犯行と結び付かないとしたら、京アニ側はどうすればよかったのだろうか。社説としての主張が弱く、何を訴えたいのかがわかりづらい。

「男と同社の関わりについて詳細は不明だ。過去の犯罪歴についてもつまびらかにする必要がある。どこかに犯行に結びつく鍵があるはずだ。男は複数の刃物も所持していたとみられ、強い殺意がうかがわれる」

犯罪歴を調べるのは、捜査の常套手段である。当然、京都府警は実行するだろう。それを「過去の犯罪歴についてもつまびらかにする必要がある」とまで書くのは、警察の捜査を馬鹿にしている。つまびらかにせずに、捜査を終えられるわけがない。発生直後に書いた毎日社説が不十分なのは仕方のない面もあるが、考える時間があったのに主張がわかりづらいのは、なぜだろうか。

(写真=時事通信フォト)
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