「いつか孤立した家族の支援活動を一緒に」

飯島氏も「苦悩を抱えているそぶりは感じられなかった」と話す。

飯島氏「逮捕後なのに、熊沢容疑者は、疲れきった顔をしていない」。(朝日新聞社/時事通信フォト=写真)

「大物次官OBとして定期的に食事をする間柄だったので、19年6月にも会食の予定はありましたが、そんな苦悩を抱えているなんて知りませんでした。一言、相談してほしかったです。

私ごとですが、私のきょうだい3人には知的障害があります。秘書時代に姉が徘徊して行方不明になったこともありました。深夜に実家の親から緊急連絡が入り『遠方で警察に保護されたから、(私に)迎えに行ってほしい』と言われましてね。今も住んでいる千葉から慌てて車で長野まで走って身柄を引き取りに行き、徹夜で永田町に駆け戻って出勤しました。

そんなことが何度もあり、夜中の緊急呼び出しに備えて、断酒もしました。正直、きょうだいたちとの無理心中を考えることもあったほど、私も家族のことでたくさん悩んできました。だからこそ、何か話は聞けたと思うのです」

また、飯島氏は熊沢容疑者の逮捕後の表情を見て「疲れきったような弱った顔をしていない」とも指摘する。

「逮捕された後も、官僚時代のように、毅然とした強い顔をしている。それを見たとき、“もしかして自殺を決めこんでいるのか”との思いが頭をよぎりました。殺人は絶対に許されないことです。だからこそ、罪を償ってほしい。しかし、地獄を見たからこそ、いつか孤立した家族の支援活動に、一緒にひと肌脱いでもらいたいです」

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(撮影=伊藤詩織 写真=時事通信フォト、朝日新聞社/時事通信フォト)