お金持ちが子育てで大切にしていることは?
富裕層は、自身の子育てにおいて、何を重視しどのように接しているのでしょうか。
無数に枝分かれしていく人生ゲームを切り開いていくためには、適切な判断力、重要な局面で意思決定できる決断力が必要です。
特に実社会や人生の岐路では、正解がない場面のほうが圧倒的に多いものです。それに、時間が足りなかったり判断材料に乏しいこともある。それでも自らの価値判断基準に照らし、その時々で合理的だと思える決断、選択をしていかなければなりません。
私の場合「自らの価値判断基準」とは、「自分や自分が大切にしている人が幸福になる」ということですが、自分にとって価値があるとはいったいどういうことか、それを育まなければ決断はできません。
同時に、自分に価値があることと他人にとって価値があることは違うということを自覚しておかなければ、他人の動きを見てから決めるとか、他人の判断に流されてしまうということにもなりかねない。
そうした判断軸を培うためには、判断とそれを検証する経験の積み重ねが必要で、それには長い時間を要します。
「自分で決める」を習慣づける
そのため、富裕層の家庭では、幼少期から「自分で決める」ことを習慣づけていることが多いようです。
レストランに行ってメニューを選ぶ、自分が着る洋服、文房具、習い事もすべて、子に選ばせる。「なんでもいい」「どっちでもいい」は禁句にし、つねに自分の意志を表明する習慣を持たせる。
「これにしておきなさい」「それはやめておきなさい」などと先回りをして子の代わりに選んでしまう親がいますが、これは子が自分で判断する機会を奪う余計な行為。その判断が稚拙であっても、子の意志を尊重し、子に決めさせることです。
2~3歳児であっても、たとえば「リンゴジュースとオレンジジュースのどちらがいい?」などと選択肢を絞ってあげることで決める力は養えます。