見落としがちな“貯蓄のリスク”とは
子どものころから「貯金しなさい」と親から教わってきたためか、「とにかく貯金をしなければ」と考えている人は多いようです。マネー系の雑誌やネットのコラムにも「○○円貯める方法」「20代で○○円貯めました」などという記事をよく見かけますし、「年代別貯蓄額調査」なるものがニュースになったりします。
もちろん貯蓄には保険としての機能がありますから、安心感につながるのは間違いありません。しかし、目的もなく過度な貯金に走るのは、人生の幅と深さを小さくしてしまう可能性があることに敏感になっておきたいものです。
なぜなら、お金を使えばできたであろう、様々な経験が不足し、結果として能力の開花や稼ぐチャンスを見逃してしまうリスクがあるからです。
月1万円収入を増やす方法を考えよう
節約や倹約は確かに重要です。しかし、手取り月収が30万円だとすれば、いくら節約しても使える上限は30万円です。
たとえば消費税が10%になったとしたら、月に20万円を使う人は、生活コストが毎月1万円アップします。社会保険料がアップし給付が削減されれば、使えるお金はどんどん目減りし、人生の自由度も狭くなってしまいます。
そして節約志向の大きなデメリットは、発想の貧困化です。節約は簡単です。調べて比較して、値段の安い方にスイッチすればいいだけです。あるいは、ただ単純にガマンして買わない。「月1万円節約してください」という課題は簡単ですが、「月1万円収入を増やしてください」と言われたら、その方法が思いつくでしょうか。
節約して貯金するという思考停止状態から脱却し、より稼ぐことへ自分の知恵と工夫と努力を投入することが大切です。