リクルートエージェントによると、2年前に比べ求人数は約50%減。その一方、一部の職種では売り手市場に沸いている。激戦の転職市場で、有利に働く学歴・職歴を明らかにする。

9業界・転職天気図「医薬・医療」以外も2010年に入り薄日が!
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9業界・転職天気図「医薬・医療」以外も2010年に入り薄日が!

「最近、実は忙しいんです……。嬉しいことなんですけど」

2010年に入った頃から、大手人材紹介会社の社員と会うたびにこんな声をよく聞くようになった。

図を見ていただきたい。各業界における現在(10年8月)の転職市場における求人数とリーマンショック前の求人数(08年8月、リクルートエージェント調べ)とを比較したものである。2年前の水準と比較し、求人数は各業界でおよそ半分程度に落ち込んでいる。この中で、唯一増加しているのは「医薬・医療・バイオ」系である。

だが、2010年に入ってから、リーマンショック前の水準には遠く及ばないものの、求人数が徐々に戻りつつある。求人倍率(有効求人数を有効登録者で割ったもの、リクルートエージェント調べ)においては、実は09年9月の段階から1倍を超えており、10年8月の時点では1.10倍になっている。

職種別に見ると、医療技術者(医師、看護師、薬剤師など国家資格保持者)とメディカルエンジニア(医薬品、医療機器の研究開発に携わる人)が突出して高い。前者は6.3倍、後者は3.6倍である。続いて、インターネット専門職、電気エンジニア、流通専門職などが売り手市場となっている。

職種によって差はあるものの、現在、中途採用市場は回復傾向にあるといっていいだろう。

※すべて雑誌掲載当時