定年後の金策について、少し発想を変えてみてはどうだろう? 今、住んでいる不動産の違う活用法が見えてくる。

「金の卵」を生む、リバースモーゲージ

大金を持っていても、新しいお金が入ってくる仕組みがない人はお金が減るのが気になって使うことができない。対して、お金が入ってくる仕組みを持っている人は、蓄えが少なくてもお金を使うことができる。幸せな金持ちは、明らかに後者だ。

新しいお金を「金の卵」と呼ぶなら、「金持ち夫婦」になる要諦は、金の卵を生むニワトリを持つことだ。金融資産、収益不動産、仕事のスキルの3つがそれに当たる。仕事のスキルを磨けば、副業や定年退職後の収入が望めるし、投資で配当などを生むのは金融資産、賃料収入などを生みだすのが収益不動産である。

ただ、銀行も融資を厳しくしており、ある程度の自己資金がなければ融資は下りないから、収益不動産を取得するのは簡単ではない。そこで検討したいのが、自宅を担保にお金を借りる、という方法である。

住宅ローン返済中は、自宅は担保に入っているので融資は受けられないが、親の自宅ならどうか。ローンを完済済みなら、「リバースモーゲージ」を利用できる可能性がある。

リバースモーゲージとは、自宅を担保に融資を受ける仕組み。自宅に住み続けながら利息のみ返済し、借入元金は債務者死亡後に売却して返済する。三井住友銀行、みずほ銀行、東京スター銀行などが扱っている。

一般的には老後資金を補うために利用するのがリバースモーゲージだが、もし親の経済状況に問題がなければ、リバースモーゲージで借りたお金を資産形成に活かすことを考えてみたい。親の自宅を担保にリバースモーゲージで資金を調達して生活資金に充ててもらい、すでにある親の金融資産を借りて、収益不動産を取得するのだ。