ヤンキーにプログラム開発をさせるのは最悪だろう。一方、営業や経営企画のチームのメンバーになったら、きっといい仕事をするだろう。

オタクやヤンキーだけではない。1つのことに対する注意の継続時間が短く、すぐに飽きて次のことに関心が移っていく「注意散漫」型の人も、これからの時代はいい仕事をするかもしれない。

一つひとつのタスクは、人工知能やインターネットなどのインフラで、案外そつなくこなしていくシステムができている。注意散漫な人は、以前ならば困った人だったかもしれないが、今ではむしろ重宝な側面もある。

1つの視点だけから見ると「部分最適」に陥ってしまうような案件でも、注意散漫な人がいると適宜かきまわされて、そのカオスの中で「全体最適」が見えることもある。つまり、パフォーマンスを上げる適度なノイズになる。

現代における注意散漫な人の典型例が、トランプ大統領かもしれない。米国で出版された本によれば、ホワイトハウスのスタッフはころころ変わるトランプ大統領の指示を適度に無視するのだという。

一方で、次から次へと関心の対象が変わっていくトランプ大統領の動きに対応するために、スタッフはいろいろな勉強をし、自然と全体を見渡すようになる。また、メディアもトランプ発言をきっかけにさまざまな問題について報じるため、自然に国民も関心の幅が広くなる。

オタク、ヤンキー、注意散漫。さまざまな個性の人がチームとなって最大の力を発揮する。そんな時代が来ている。

(写真=EPA=時事)
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