共働きで世帯年収は1000万円を超える守田家。子供の小学校入学にあわせて妻が時短からフルタイムに戻った。するとそれまで毎月10万円の黒字だった家計が、毎月4万円の赤字に転落してしまった。妻の復職で収入は増えているのに、なぜ支出が増えたのか。月収70万円夫婦が「赤字家計」を脱出した方法とは――。

妻のフルタイム職場復帰で月収70万円夫婦が「赤字生活」の泥沼

「フルタイムの仕事に復帰して、月収が約10万円増えました。それなのに、毎月4万円も赤字です」と話すのは守田美紀さん(仮名・38歳)。

美紀さんは外資系金融機関で働いています。会社では、子供が小学校入学するまで時短勤務が認められており、美紀さんもそれを利用していました。この春、下のお子さんが小学校に入学したためフルタイムに戻り、残業、出張もこなすようになりました。

仕事の量が増え、家事育児と両立することは大変ですが、収入は増え、現在の手取り収入は32万円。夫の和也さん(仮名・43歳)の収入約41万円と合わせると、月約73万円になります。世帯年収は軽く1000万円を超えるにもかかわらず、月4万円の赤字で1円も貯金できないとは、どういうことなのでしょうか。

時短勤務の時は月10万円貯金できたのに、今は月4万円も足が出る

聞けばここ数年、美紀さんが時短で働いていた時期でも、世帯月収(手取り)は63万円あったので、毎月10万円ほど貯金できていたそうです。家計管理は、家計簿の記入などは美紀さんが中心に行っていましたが、収入は2人で合算し「財布をひとつ」にしていました。

毎月給料日のあとには、守田家のお金の使い方について、意見を出し合う「家族マネー会議」も開いていたそうです。互いのベクトルを調整する理想的な夫婦なのですが、美紀さんの前向きな「フルタイム復帰」が皮肉にも月4万円の赤字の原因となったのです。