月約4万円の「家事代行」費をどうやって減らしたか
ただ、家事代行にかける費用はなかなか減らせるめどが立ちません。ここまで支出の削減について考えてきたのですが、夫のかかわりはほぼ皆無。サイフを一つにしているとはいえ、家事育児に関しては全くのノータッチなのです。
「妻に任せている」と口にこそ出しませんが、心の中ではそのつもりのようです。そこで、お子さんが夫を誘って、週末に「お父さんとお風呂掃除する」「食材など家庭用品の買い物に一緒に行く」ことを実行してもらいました。少しずつ、家事に巻き込んでいく作戦です。
家事も、週末にみんなでゲームのようにやると楽しくなりますし、効率よく片付きます。こうして、家事代行は時々の掃除と、どうしても妻の帰りが遅くなる時の食事作りなどに収められるようになりました。
「意外と、周囲の理解や工夫次第で下げられる支出がある」と思えた美紀さんは、夫や子どもたちと協力しながら、通信費のためにスマホの契約を変えたり、日用品代を下げるために買いだめのしすぎを見直したりしました。
家族と一緒に家事にかかわるようになった夫は、家事育児と仕事を両立しながら支出を削減しようとしている美紀さんの様子を見ていたこともあり、自分だけ何もしないのは悪いと考え、自ら小遣いを1万5000円減らす(7万円→5.5万円)ことを申し出てきました。
年約50万円の赤字家計が、年120万円超の貯蓄ができるように
このように、支出を抑えることができるようになり、毎月4万円の赤字から、6万円近くの貯金ができるようになりました。夫婦で年間100万円ほど手にするボーナスから毎月の生活費を穴埋めすることもなくなり、旅行代や帰省費などを除く年50万円を貯めることができます。よって今後、貯蓄は年間120万円を超える見込みとなりました。
一般的に、収入が増えたからといって、その分を全部貯金に回すのはなかなか難しいものです。収入を増やすためには、さまざまな「必要経費」がかかってくるからです。その必要経費は、すべて必要なものだと思いがちですが、実際はその中に「忙しくなった自分への言い訳」としての支出も含まれていることも多いものです。
今回の守田さんの場合は家事代行や学童、飲み会にかかるお金がそうでしたが、人によってはデパ地下でのお総菜代や、子どもの送迎のためのタクシー代がかかるケースもあります。これは時に必要経費であり、時には必要とはいいがたい支出となるので、判断は難しいものです。
ただ、家計をうまくやりくりするには、収入以上の支出があってはいけません。二人で働く意味も薄れてしまいます。せっかくがんばって働いているのですから、その分を貯金できる家計を目指してほしいと思います。