「お金がなかなか貯まらない」と嘆く人には、どんな共通点があるのか。ファイナンシャルプランナーの井戸美枝氏は「毎月の給与を使い果たしてしまう人は、固定費を把握していないことが多い。たとえばスマホの通信費にいくらかかっているかも調べようとしない」という――。

お金を貯める王道は「先取り」

2019年は10月に消費税率の引き上げが予定されています。2020年には給与所得控除の改正も予定されており、所得によっては、税金の負担が増える人もいるでしょう。節約に努め、浪費を防ぎ、せっせと貯金をする。そんなお金との付き合い方の「基本」が今後さらに重要になるでしょう。

昔も今も、家計相談で数多く質問を受けるのは「どうしたらお金が貯まるのか」。貯金は、仕組みさえ作ってしまえれば、比較的簡単にできるのですが、その仕組み作りは簡単ではありません。そこで「2019年版 賢くお金を貯める方法」をご紹介しましょう。

まずは、貯金の王道「先取り貯金」です。

本連載で何度か述べましたが、手元にお金があるとついつい使ってしまいがち。本気で貯めるには、半ば強制的に貯金する、「先取り貯金」の仕組みを作ってしまいましょう。

会社員の人は、勤務先が「財形貯蓄」を導入しているか確認して下さい。

自動積み立ては「給料日の翌日」に引き落とし

財形貯蓄は、給料が振り込まれる前に、指定した金額が天引きされ、会社が契約している銀行などに預け入れられる仕組みですが、現在、財形貯蓄を導入する企業は減少しており、制度を利用できない人も多いかもしれません。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/ATINAT_FEI)

財形貯蓄がない会社員やフリーランスは、銀行の「自動積み立て口座」を利用すると良いでしょう。「自動積み立て口座」は、その名の通り、自動で指定した口座に積み立てができるもの。多くの銀行で提供されています。普段使っている預金口座と同じ銀行で開設すると、手数料はかからないケースがほとんどです。

引き落とし日や金額は自分で決められますが、給料の振込の翌日に引き落とされるよう設定しましょう。お金を使う前に、貯金専用の口座へ移動させることがポイントです。

貯金する金額の目安は、1人暮らしの場合は「手取りの10%」。2人以上で暮らしている、あるいは実家暮らしの人は家賃が安くなるため、「手取りの15%~20%」目標にして下さい。

とはいっても、毎月の貯金額が多過ぎて余裕がなくなり、結局お金を口座から下ろしてしまっては意味がありません。難しいところですが、少な過ぎず、かつ無理なく貯められる金額を考えてみて下さい。