小学生から絶大な人気を誇るHIKAKIN(ヒカキン)をはじめとするトップユーチューバーを多数抱え、国内のインフルエンサー市場を牽引するUUUM。所属クリエイターの総チャンネル登録者数は1.6億人以上、月間総再生数は40億回に上るなど、その影響力は計り知れない。2017年8月には東証マザーズに上場、18年は6~8月には前年同期比175%の増収を達成。テレビに匹敵するメディアとして拡大を続ける動画市場の展望と今後の課題を鎌田和樹社長に聞いた。

稼ぐハードルは下がっている

――動画市場にとって、テレビは競合相手なのか協力関係にあるのか、どのような位置付けで考えているのか。

UUUM代表取締役社長・CEO 鎌田和樹氏

僕らはテレビや雑誌などすべての媒体を競合ではなく、動画クリエイターのコンテンツの1つの出し先と捉えています。例えばテレビはチャンネル数と放送時間が決められているのでそれこそ奪い合いだと思うんですけど、僕らインターネットは自分たちでユーチューブチャンネルを作って好き勝手に配信していくことができます。パートナーとして面白いコンテンツを一緒に作れるなら、僕らとしては良しです。

――今はあまりにもクリエイターが多くなりすぎて、ユーチューバーとして新たに参入するのは難しいのでは。

UUUMを創業して6年目になりますが、確かにユーチューブで活躍するクリエイターは爆発的に増えています。ですが逆に言うと視聴者も増えていますし、マネタイズする手段も増えてきているので、ユーチューブを通して食べていけるようになるハードルは下がっているんじゃないかと踏んでいます。ただ、ヒカキンであったり、はじめしゃちょーであったり、そういうクラスの人たちを今から超えていきますかというと、そこはやっぱり難しいんじゃないかとは思いますけどね。

――では、40代から50代の中年サラリーマンにもチャンスはあるか。

誰がやるかというよりも、どの層に向けてコンテンツを作っていくかというほうが重要だと思いますね。雑誌にしても、誰もが読む大衆向けの週刊誌もあれば、ニッチでも一定の人がお金を出してくれるものもある。ユーチューブも全く一緒で、自分が得意なことや今からできることを考えたとき、大衆向きのところを攻めたいけど、自分の性格上攻められないということもあるわけです。例えば、「釣りよかでしょう。」というチャンネルではクリエイターがひたすら釣りをしているのですが、とても見られています。