シリアで誘拐された安田純平氏について、自己責任だ、という批判と、自己責任などではない、という擁護の論争が盛んだ。いまなおアフリカや中東の紛争地で取材を重ねる戦場ジャーナリストの大津司郎氏に意見を聞いた。

日本の大手メディアが危険地帯へ行くことはない

自己責任かどうかを問うてしまえば、答えは現地で捕まったという一点において安田君の「100%自己責任」だ。だが、それは「彼へのバッシングが妥当」ということではない。そもそもこの二分法自体に違和感を覚える。

大津氏(左)「安田君(右)は本当に十分な対策をとったのか」。(右、時事通信フォト=写真)

いま、日本のメディアやマスコミには「国際問題」という視点が欠落している。かつてはドキュメンタリー番組も多数作られていたが、「視聴率がとれない」といった理由で数が減る一方だ。海外では大手メディアが取材に赴くこともあるが、日本の大手メディアが危険地帯へ行くことはない。