2020年はGW前が採用活動の勝負

2020年卒業予定学生に対する採用活動が各社で活発になってきた。原則、企業の20年卒の採用活動(広報)の開始は19年3月だが、現在、企業はインターンシップという形で学生と接点をつくっている。業界や仕事、自社の魅力を学生に伝え、就職先の選択肢に入れるよう取り組んでいる。

就活の長期間中断は、学生の企業に対する印象を薄める。(時事通信フォト=写真)

年々、企業の採用活動が早まり、インターンの実施企業数は増加している。その背景には、採用環境の売り手市場がある。学生が有利な採用環境のため、学生側の活動量が減少しており、そのため学生に自社を知ってもらい、説明会や選考を受けてもらわなければ、そもそも採用まで至らない。

企業の選考のスタートは19年6月だが、多くの企業では広報同様に期日以前から行うだろう。そんな中で注目すべきことの1つが、ゴールデンウイーク(GW)が10連休になることだ。

就職活動が長期間中断されることで、それまでの企業に対する学生の記憶や印象が薄れてしまうため、多数の企業では長期休暇を挟むような採用活動を避ける傾向にある。会社としては選考を通じ、企業への志望度や理解度を高めてきた取り組みが水の泡となってしまうことを避けたい。

そのため、20年卒の採用活動は次の2パターンのうち、どちらかになる可能性が高い。GW前の4月26日までに選考活動を終わらせるパターンと、5月7日以降から説明会を開催し、選考していくパターンだ。

売り手市場で、採用活動が早期化している現状を考えると、4月26日までに採用活動を終わらせるスケジュールが増えることが予想される。そうなると、20年5月の時点での大学4年生の内々定率は、19年5月の42.7%よりもさらに高まるだろう。各社とも、いい人材ほど早く内々定を出したがるからこそ、20年は4月が採用活動の山場となると考えられる。

さて、企業のインターンに参加する学生が増えている一方で、最近は、参加する理由や目的を理解していないがゆえに、インターンからの学びや得る情報が少ない学生が多数見られる。