畑岡奈紗がまた記録を更新した。2016年日本女子オープンゴルフ選手権でアマチュアとして史上初のメジャー制覇。翌年、プロ転向し、同大会を連覇。そして今年6月。念願の米ツアー初制覇を達成した。19歳での優勝は日本人最年少だ。雑誌「プレジデント」では、米ツアー初制覇の直前、畑岡本人とその周囲に取材したルポルタージュを掲載していた。今回、特別にその内容をお届けしよう――。
※本稿は、雑誌「プレジデント」(6月25日発売号)の掲載記事を再編集したものです。
「私は、苦しいときこそ笑っていたい」
「これからは私たちの世代が日本を引っ張っていくべきだと思うので、この優勝は意義ある優勝だったと思います」
2017年日本女子オープンの優勝インタビューで、畑岡奈紗はこう語った。メジャーチャンピオンの座を2年連続で射止めたとはいえ、当時はまだプロ1年目の18歳。ルーキーらしからぬ「肚の据わった」コメントが印象的だった。
18年、彼女が日本に一時帰国の際に取材を実施。「自分に言い聞かせていることは?」と聞くと、少し考えて口を開いた。
「どうしても苦しいときは笑っていられないと、普通は思うのでしょうが、そういうときこそ笑っていたい。難しいことだとは思うんですけどね」
どこまでも前向きな強さはどのようにしてつくられたのか。