20年で住居、25年で土地がタダで手に入る
田舎でゆっくり子育てをしたい。そんな人たちを受け入れようと、地方の自治体ではいろいろな取り組みが行われている。
島根県美郷町が取り組む「若者定住住宅」は、移住者を対象に実質無償で土地付きの住居を譲渡する制度だ。
「20年以上の定住を条件に、3LDKの新築一戸建てを家賃3万円で提供。20年住めば住居を、25年で土地を無償提供します」(美郷町役場・定住推進課の和田哲也氏)
対象となるのは、概ね40歳以下の夫婦で小学生以下の子どもがいる家庭。2007年度の実施開始以来、毎年3~8棟を募集。現在も5棟募集している(18年3月30日締め切り)。これまで45家族、延べ212人がこの制度を活用し移住した。移住者はU・Iターンの人など県外からの引っ越し組が半々だ。
この制度を利用し、13年に広島市から移住したのが、森下さん一家。もともと、将来的には妻の生まれ故郷である美郷町で暮らす計画はあったものの、「若者定住住宅」のことを知り、予定を大幅に早めて移住を決断した。
「新築で、間取りや壁紙なども数パターンある中から選べる。子どもが大きくなったときのことをイメージしながら、『どんな家にしようか』と夫婦で考えるのはすごく楽しかったですね」(森下勝彦氏)