虐待犯を「神」と崇めたネット住人は一目散に逃げた

でも、読者のみなさんは、「SNSではしゃいだことはない」と言い切れるだろうか。

SNSへの書き込みで「問題化」するのは、政治経済のような大きな話題より、個人的なことが多い。仕事の愚痴を書きつらねる、知人・友人・会社関係者への個人攻撃、などである。こういうことは立場を同じくする人の間で盛り上がりやすいし、話が具体的になればなるほど「さすがだね」「鋭い指摘だね」といったコメントをもらいやすい。悪気はなくても、ついついやらかしてはいないだろうか。

※写真は本文とは関係ありません。写真=iStock.com/

称賛されれば悪い気はしないのが人間だ。フォロワー間ではしゃぐくらいはかまわないだろうという油断もある。が、“密室”のつもりでいても、どこからか内容が拡散してしまうのがSNS。実際は、駅前に立って大声で悪口を言っているに等しいと思ったほうがいい。それが本人にまで伝われば、その人が抱く嫌悪感は“飲み屋のグチ”の比ではないはず。さらに、それまで称賛していた人は応援団になってはくれず、孤立してしまうのがオチ。逆の立場なら、あなたもそうするのではないか。

▼SNSで何か発信する前に“音読”を実践せよ

実際、前出の猫の虐待犯が捕まったとき、それまで「神」とあがめていたネット掲示板の住人たちは、かばうどころか一目散に掲示板から逃げ出したという。顔も名前も知らず、SNSだけでつながった人間関係なんてその程度のものと考えたほうがいい。

とはいえ、SNSには良い面もたくさんある。一切断つのももったいない。そこで、調子に乗って墓穴を掘らぬよう、筆者がSNSで何かを発信する前に実践しているのが“音読”だ。

この言葉を発信して大丈夫だろうかと迷う書き込みを声に出して言ってみるのである。それだけで想像力が膨らみ、誰かに聞かれても問題ない発言かどうかがわかる。とくに「自慢」「嫉妬」「誰かの発言にカチンときて発する感情的な発言」はかなり防げるので良かったら試してみてほしい。

(写真=iStock.com)
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