海外に行くと、外国に目を向けるようになるか?

話を海外旅行に戻しましょう。全体としては子ども達の外国への興味関心が薄れたとはいえ、一度でも海外旅行をすると、子どもはまた外国に旅行してみたくなったり、留学をしてみたくなったりするのではないでしょうか。「子ども調査2017」の対象者を海外旅行経験の有無で分け、それぞれについて前述の「家族旅行に行くなら(国内より)外国に行きたい」、「海外留学をしたい」とする率を見てみましょう。

海外旅行経験がある子ども達のうち、48.1%は国内旅行より海外旅行がしたいと考えており、これは経験のない子ども達(24.3%)に比べると約2倍の値です。実際に海外旅行に行くとその魅力に気づく子ども達もいる、ということでしょう。

ただし、これは裏を返せば海外旅行経験のある子ども達でも半数は海外旅行より国内旅行がいいと考えている、ということでもあります。海外旅行が子ども達にとって絶対的に良いもの、というわけではなくなっていることが、ここからも分かります。

また、海外留学の意向を見ると、海外旅行経験のある子ども達は33.1%と、こちらも経験のない子ども達(20.8%)を上回っています。子どもが海外留学をしたいと思う動機や環境的な背景はさまざまなので、このデータだけをもって「子どもに海外に目を向けさせるために、海外旅行は有意義だ」と考えることはできませんが、せっかく連れていく親の立場としては、多少なりとも世の中を見る視野や、将来の選択肢を拡げるきっかけにしてくれれば、と感じるデータではありますね。