子どもたちが「友達の家」で遊ばなくなっている。博報堂生活総研が子ども(小4~中2)を対象に調査した結果、「放課後に友達の家でよく遊ぶ」という子は過去最低となった。子どもたちはどこで友達と遊んでいるのか。博報堂生活総研の十河瑠璃研究員が考察する――。(第5回)

「友達づきあい」の場はどこに変わったのか

博報堂生活総合研究所は今年、子ども(小4~中2)を対象とした大規模調査「子ども調査2017」を実施しました。この調査は20年前の1997年から同じ調査設計、項目で実施されている長期時系列データ(ロングデータ)です。

3回目となる今回の調査では、物心のつく頃から自由にインターネットを使える環境にある子どもたちは、「基本的にはタダ=無料で十分」という姿勢を起点に新しい価値観を生み出し始めていることが見えてきました。連載第5回は、そんな“タダ・ネイティブ”たちの特徴を「友達づきあい」の面から考えます。

「子ども調査2017」によれば、「自宅以外でよく遊ぶ場所」として「友達の家」と回答した数は過去最低となりました。その背景を家庭訪問調査で伺った親御さんに尋ねると、「共働きで両親が夜まで家にいない家庭が多いので、あまり家の行き来はさせないようにしている」という声が多く上がりました。

連載第2回でご紹介した通り、厚生労働省の調査「第14回21世紀出生児縦断調査(2015年)」によれば、14歳の子どもでは今や母親の8割がワーキングママ。親の目の届かないところでの家の行き来はさせにくい、というのはうなずけます。加えて、そもそも遊ぶ時間がなさそうな忙しい子も増えているようです。

「子ども調査2017」によれば、塾に通っている子は4割強、習い事をしている子は7割で、特に習い事をしている子は調査開始以来最多となりました。家庭訪問した子の中でも、塾と複数の習い事の合計で週5~6日通っている子が何人かおり、子どもたちの放課後が忙しくなっていることがうかがえます。

友達の家に行かず、塾や習い事で忙しい子どもたち。そんな彼らは、以前のように友達と遊ばず、関係が希薄になっているのではと思われるかもしれません。しかし、家庭訪問調査を通して見えてきたのは、家の行き来こそないものの、ネット上に集まって一緒に遊ぶ子どもたちの姿でした。