放課後はネットに集合

かつての子どもたちは、学校や公園といったリアルの場でタテ・ヨコの人間関係を深め、広げていました。しかし、塾や習い事で忙しい子が増え、皆で時間を合わせて遊びに行くことが難しくなった結果、子どもたちの主な集合場所はリアルからネットへと移っているようです。

(上)弟の友達としゃべりながらオンラインプレイ(下)「共闘部」というLINEグループで攻略情報を教え合う

ある中2と小4の兄弟は、家のゲーム機でネットに接続し、同様に自分の家のゲーム機からネットに接続している友達と一緒にゲームをプレイしています。写真では2人でプレイしているように見えますが、あらかじめ友達と時間を約束し、同じ時間にネット接続することで、マイクで話しながら一緒に遊んでいるのです。しかも、操作や会話のタイムラグはほとんどないため、どちらかの家で一緒にプレイするのと遜色ないコミュニケーションができているようでした。

また、別の中2の男の子は、スマホゲームの「共闘部」というLINEグループに入っており、そこでゲームの攻略情報を教え合っています。そのグループは、メンバーが次々友達を追加していく形で拡大しており、直接会ったことのない人や社会人・大学生などの年長者も混じって交流しているそうです。彼らにとって、ネットは一人で使うためのものではなく、友達との集合場所なのです。

なお子どもたちは、こうしたオンラインゲームやLINEでのやりとりを、お風呂や宿題といったそれぞれの都合に合わせて抜けたり入ったりしながら、夜遅くまでやっています。友達の家に行くのでは、その間はほかのことはできませんし、夕方になれば帰らなければいけません。でもネットなら、フレキシブルにつながれて、門限もありません。ネットのこうした性質は、放課後の生活時間がバラバラになっているタダ・ネイティブたちにはなじみやすいのでしょう。