10兆円の市場規模はまだ拡大するが……

2000年にスタートした公的介護制度に基づき、各社の収入は各都道府県の国民健康保険団体連合会などから支払われる介護報酬が中心である。例えば、ユニマットは、介護事業の売上高439億円のうち介護保険適用が7割強で、残りが介護保険適用外であるとしている。企業側からすれば、収入のある程度の部分は、保障されているということだが、同時にそれは、保険適用外を伸ばすことが欠かせないということでもある。同社に限らず、各社共通の課題だ。

急速な高齢化にともない介護サービスを受ける人は増加している。厚生労働省は、現在の10兆円程度の市場規模は、25年度には20兆円超まで拡大すると予測している。市場としては有望に見えるが、すべての企業が追い風を受けるというわけにはいかないだろう。

介護保険で支払われる「介護保険給付費」の圧縮は、重要な政治テーマだ。一方で、介護職員は不足気味で、待遇改善などの課題も山積する。ビジネスとして、どのようにかじ取りをしていくのか。国の施策も注視していく必要があるだろう。

【関連記事】
「介護離職」が2018年8月から急増するワケ
なぜ、介護士の給料は上がらないのか
「60代のひきこもり」が増えている
なぜヘルパーは"介護食"しか作れないのか