デキる上司は部下に「3つの案」を授ける

さて、部下の相談に対する姿勢ですが、人間関係の悩みというのは、たいていの場合、その人間関係が永久に続くと思うから苦しいのです。1年後に配置替えがあるとわかっていれば、悩んだとしてもその悩みは小さいはずです。

まず、部下には1つの人間関係に囚われて会社全体のイメージや仕事にマイナスの考え方を抱かないように、会社にはいろんな世界が存在することを示す必要があります。

2つ目としては、揉めている2人の間に誰かもう1人入れる、あるいは別の仕事を増やすことによって、距離を離すことも大事です。

3番目に、客観的な第三者にも話を聞き、裏を取ることも必要です。

悩み相談も、人間関係そのものに焦点を当てるのではなく、悩みによって部下が能力を発揮できていないのであれば『能力を100%発揮させるためにはどうしたらよいか』という角度から解決策を考えたほうが、個人間の衝突を避けられると思います。

鈴木博毅
1972年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。経営戦略コンサルタント。著書に『実践版 孫子の兵法』『「超」入門 失敗の本質』ほか。
 
(構成=遠藤 成)
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