「お金持ちと結婚したい」という女性は後を絶たない。平均年収が下がり続ける現在、その志向は強まるばかりだ。しかし、全員が初めからお金持ちだったわけではない。夫を稼がせることに長けた妻たちに、その秘訣を聞いた。第2回は「学生結婚妻」のメグミさんのケースだ――。

case2:学生結婚妻 メグミさん●仮名・40代前半
留学先で20歳の出会い。
「退職事後報告の夫」は出世魚だった

夫 ベンチャー企業経営者●40代前半
邦銀、外資系ファンドを経て、30代で起業。「現在は毎月決まった額を生活費として渡されているため、夫の年収や家にお金がどのくらいあるかは知りません」(メグミさん)。
 

同い年の主人は、今でこそ資本金数億円のベンチャー企業経営者ですが、出会ったときは、まだ何者でもないただの学生でした。

20歳になるかならないかの頃に、留学先のアメリカで、お付き合いが始まりました。同じ寮住まいで、私が早朝ジョギングに誘ったのがきっかけです。異国の地で、先頭を切って走る私のたくましさに惹かれたようです。

先に働き出した妻が金銭サポート

私が一足先に帰国したため、そこからは遠距離恋愛です。当時はインターネットが普及しておらず、やり取りは手紙と電話。主人からは毎日欠かさず手紙が届き、月12万円の国際電話の通話料は働いていた私が負担しました。

主人が帰国した後も、東京-関西間での遠距離恋愛を約2年続けました。そして、主人が大学4年生のとき、銀行から内定を得たタイミングで、結婚の話となりました。銀行とはいえ、初任給は手取り10万円台。私のほうがずっと稼いでいました。だからといって、いつか必ずビッグになるから今は彼に投資しようとか、そういった思いは皆無。ただただ、毎日大好きな人と一緒にいられることが幸せでした。

結婚から数年後に第1子を出産。その子が1歳になる頃、主人は銀行を辞め外資系ファンドに転職しました。辞めることも転職することも、すべて事後報告。主人は基本すべて事後報告なんです。でもそこに不安はまったく感じません。私たち家族を不幸にしたり悲しませたりするような決断は絶対にしないという信頼がありますから。

ファンド時代は収入が大きく増えた分、帰宅は毎晩深夜となり、四六時中電話がかかってくる状態。夫はものすごいストレスを抱えていました。第2子も生まれ、子育ての大変な時期と重なりましたが、主人も命を削って働いているのだとわかっていましたので、家事・育児を助けてもらえなくても仕方がないと思っていました。