“働き方改革”“ビッグデータ”のブームもあって鳴り物入りで導入された新システムが、現場で敬遠され、使われぬまま──そんなムダが今、各所で頻発しているという。

作業を削減したら、帰宅が遅くなった

ある企業のコールセンターで実際に起きた話です。コールセンター業務は、電話で話しながら打ち込む1次入力と、後でチェックしながら打ち直す2次入力の作業があります。そのコールセンターでは2次入力システムの自動化を進めることに。計算では年間で数十人月(人月は1人が1カ月にできる作業量の単位)の効率化が見込まれ、人件費も削減できるはずでした。

河野修平●A.T.カーニー プリンシパル。東北大院卒。IBMビジネスコンサルティングサービス(現日本IBM)を経て2006年A.T.カーニー入社。IT戦略などのコンサルティングを手がける。

システムは無事に組み上がりました。運用面も問題ありません。ところが、期待されていた人件費削減効果は得られませんでした。

どうしてか。全体で数十人月の削減になるといっても、1人当たりでは1日数分です。作業時間を数分詰めたところで、シフトをいじったり人を減らすことはできません。