増え続ける医療費。米国では「高齢者のがん検診は控えよう」という「いらない医療」という運動が起きている。一方、日本は「コスト削減」を前提とするだけで、さまざまな施策は「患者不在」となっている。たとえば日本ほど多項目の健康診断をする国はないが、医師の上昌広氏は「座高測定やメタボ検診など一律の健康診断は、患者不在の典型例だ」と指摘する。医療のあるべき姿とは――。

米医学会が指摘する「ムダな医療」とは

2011年からアメリカの医学会では「Choosing Wisely(賢い選択)」という運動を展開しています。この運動は、アメリカ全体の総額医療費を削減するという「コスト」の面では首肯できます。

たとえば(1)は、ウイルスには抗生物質は効かないので当然です。(2)もコレステロール対策薬の特許が切れたことで、これまで利潤をあげてきた製薬会社の圧力が減り、ようやくまともな議論が始まったところです。