仮説思考
不振店舗のテコ入れか。まずは原因を分析しないと……
【STORY】
担当販売店の売り上げアップを評価され、地域全体の統括責任者へ昇進することになったあなた。「君が統括する地域で真っ先にテコ入れすべき店舗はどこか。どうすれば売り上げを改善できるか。考えを聞かせてくれ」。社長室で最初の仕事が告げられた。期限は1週間後。さあ、どうする?
担当販売店の売り上げアップを評価され、地域全体の統括責任者へ昇進することになったあなた。「君が統括する地域で真っ先にテコ入れすべき店舗はどこか。どうすれば売り上げを改善できるか。考えを聞かせてくれ」。社長室で最初の仕事が告げられた。期限は1週間後。さあ、どうする?
新規ビジネスを考えたり、トラブルを解決しようとするとき、データ分析のスキルがその成果を大きく左右します。特にマネジメントの立場にある人には、必須スキルといえるでしょう。
今回のケースでは、地域全体の統括責任者に昇格し担当が複数の店舗に増えると、各店舗についてその店長と同じ深さで把握することは難しくなります。
ある程度は経験や勘に頼る部分はあっても、社長の承認を得るためにもデータに基づく客観的な分析と提案が必要です。しかし、最新の分析システムを使い、時間をかけて答えを探せる環境にいる人はとても少数。通常の実務現場にいる人は、分析を短時間に効率的かつ効果的に進めなければなりません。
そこで重要になるのが「仮説を立てる」ことです。分析に入る前から課題に直結する仮説をしっかり立てておくと、分析の途中で目的を見失ったり、無駄な回り道をしたりする事態を避けられます。
仮説アプローチは課題と分析とをブリッジする役目を果たします。つまり、課題から次の一歩に踏み出せない状況や、いきなりデータ収集から入ってさまざまなデータに翻弄されるような「よくある事態」への有効な処方箋になるのです。
【課題と分析をつなぐ仮説を立てよう】
データに基づく客観的な分析と提案を導き出すためにも、データ分析を始める前に仮説をしっかり立てることが重要。目の前の課題に直結する仮説を立てることで、分析の途中で目的を見失ったり、無駄な回り道を避けたりすることができる。課題につながる複数の要素を仮説として設定し、その当否を分析によって検証していこう。