複雑なシミュレーション

課長「36~50 歳向けにイベントを行って、もっとしっかり顧客を掴むんだ!」
 ⇒イベントにいくら費用をかけたらどれだけ集客できるのか……

前項では「36~50歳層の集客を十分にコントロールできていない」ことがわかりました。早速、改善策を考えてみましょう。

来店者数を左右する多くの要因のなかから、ここでは集客イベントの費用を主な要因として分析していくことにします。

来店者数とイベント費用など、2つのデータの関係の強さを示す統計指標に相関係数があります。相関係数は常にマイナス1からプラス1の間の値をとり、0に近いほどお互いの動きの関連はなくなります。この相関係数を導き出し、2つのデータの結びつきの強さを分析するのが相関分析です。一般的に相関係数が0.7以上、マイナス0.7以下であれば強い相関があると考えられます。

下の相関分析の結果を見ると、21~35歳層はイベント費用を使ったときに多くの来客がある一方、36~50歳層にはイベント効果が見られません。

以上に基づき対策を考えると、新たに36~50歳層に向けた商品などを投入し底上げする案か、最も来店者数が多く、従来の方法で集客を見込めそうな51歳以上の層をメーンターゲットにする案が考えられます。

【イベント費用と来店者数を相関分析しよう】

来店者数とイベント費用など2つの相関関係の強さを探りたいときには、相関係数を使う。CORRELという関数の後に2つのデータ範囲(下図の場合は(A)と(B))をカンマで区切って入力。相関係数が+1に近いほど相関の強さを示すため、この結果から36~50歳はイベント費用をかけても来店者数が増えていないという事実が明白となった。

相関係数
……2つのデータ間の関係の強さを示す統計指標

=CORREL (データ範囲,データ範囲)

相関分析から2つの選択肢を考察

36~50歳層の底上げを図るため、新たにこの層を対象にした商品投入などをしつつも、すべての層をねらった店舗を継続していく

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現状、来店者数が一番多い51歳以上の層をメーンターゲットとして、店舗自体のコンセプトを仕切りなおす