英語勉強、挫折する人はなぜ挫折するのか?
英語を身につけたい! そう思っていても自分が目標とするレベルまで上達させた人は、残念ながら少ないかもしれません。挫折する人が多いのです。
私は英語学習のポータルサイト「English Hacker」というサイトで8年ほど編集長をしており、これまで山のように英語学習の相談を受けてきました。そしてそのほとんどが「現在はTOEICスコア600点未満で、あれこれ試してみたけれど、どうやって英語を上達させればいいか分からない」といった切実な悩みでした。
そんな相談を数多く受けるうちに、「あれ、この人は英語学習に失敗するな」と思う人と、「この人は上手くいくだろうな」と思う人が予測できるようになってきました。
どういう人が、英語学習に失敗しやすいのか。今回はもっともあてはまることが多い10パターンに絞ってまとめました。
【1:大学受験時の英単語帳で勉強をはじめる人】
中学・高校の英語の授業といえば、やはり英単語の暗記を思い出す人が多いでしょう。英語授業時の単語テスト、中間・期末試験での英文の和訳、和文の英訳、さらに大学受験時には総おさらいをさらなる単語のインプット……。確かに英単語を制する者は英語を制する、といった側面があります。
しかし、再び英語勉強を開始するにあたり、かつて愛用した英単語帳から手をつける、という発想は実はとても失敗しやすいパターンなのです。それはなぜでしょう?
大学受験までの英単語帳は基本的に、英単語を覚える→その日本語の意味を覚えるの繰り返しです。しかし、これだけだと英単語の知識は増えても、実際に英語を話せるようになる、もしくはTOEICである程度長い英文を聴く・読むレベルにまでは到達できません。
それよりはむしろ、英単語よりも英文フレーズの引き出しを増やすことの方がはるかに有意義です。英文フレーズとは、例えば、tired(疲れた)という英単語を覚えるだけでなく、最もよく使われる“be tired of~(~で疲れている)”というフレーズで覚える、ということです。
英会話にしろTOEICにしろ、大事なのは英単語を「使える形」で覚えておくこと。そのためには、大学受験までで慣れ親しんだ英単語帳はいったん離れてください。まず英単語から、という発想は、最も身近ですが英語学習の成功には最も遠回りの勉強法なのです。