受験英語は大得意でも、TOEIC400点

社会人になってからも大学受験までと同じやり方で英語を勉強するビジネスパーソンが多いですが、実は、これは間違いです。

私も今でこそTOEIC990点満点を取ることもありますが、TOEICを受け始めたころは大学受験のクセが抜け切れず、最初は400点、その後も500点前後で低迷した時期がありました。しかしある時に、勉強法を大学受験までの英語学習のスタイルと変えてから、不思議とスコアがグッと伸びてきました。周囲の英語勉強仲間に聞くと、これと似た「受験英語の脱出経験」をしている人が多いです。

今回はTOEIC、特にリーディングでスコアが伸びない人のために、受験英語まで成功した人ほど陥りやすい罠について解説します。

▼大学受験の勉強スタイルを変えられない人々

大学受験までの英語学習は基本的に英語を文法的にしっかり理解して“日本語に訳せること”がベースです。そのため、問題文も回答選択肢もすべて日本語になっており、英語はいちど母語である日本語に翻訳して、そこから問題を解くというプロセスでした。

それに対して、ビジネスパーソンの英語力を測る指標となっているTOEICやTOEFLは、基本的に問題文も選択肢も、 回答マークシートにすら日本語は一切なく、すべて英語を英語のまま理解して問題を解きます。それなのに、 いちいち日本語に直していたのでは時間がかかりすぎてしまいます。

テストで求められるものが変われば、するべき対策も変わります。大学受験までのやり方で時間とお金を浪費しているにもかかわらず、勉強のやり方を変えない人、変えられない人は多いです。

大学受験までで重視されていたことと、TOEICやTOEFL、英会話などで重視される英語のスキルは全く異 なるということを意識している人は、英語が得意な人でも少数です。 個人的には、これこそが日本人にとってTOEICで高スコアを取ることが難しい、最も大きな原因だと考えています。

▼TOEICの問題は200問「速さが命」

いわゆる“使える英語”と呼ばれるビジネスや日常 英会話で使えるレベルで英語を身に付けるためのコツは、大学受験までの英語の勉強法はいったん忘れることです。大学受験で成功していた人ほど同じ勉強法を続けてしまい英語がいつまでも上達しない、なんてことになりかねません。

また、とにかく大量のリスニング・リーディング問題を解いて慣れることも重要です。TOEICで解答する問題は合計200問。大学入試でこれほどの量を課されることはないでしょう。とにかくスピーディに、英語で問題を解き進めなければいけません。