TOEICの人気講師がアドバイス

ロバート・ヒルキ
企業研修トレーナー。元国際基督教大学専任講師。TOEICテスト対策のエキスパートで、講演は年間約250日、著書は90冊以上。中上級者の指導に定評があるが、実は400点以下の初級者に効く処方箋も多い。
 
関 正生
大学受験予備校・英語講師。企業での英語指導・講演も多数。2006年以降のTOEICはほぼ毎回受験で満点獲得。英語/TOEICの『世界一わかりやすい』シリーズは、累計50万部以上のベストセラー。
 
中村澄子
エール大学でMBA(経営学修士)を取得。東京・八重洲でTOEIC対策を指導する教室「すみれ塾」を主宰。著書にシリーズ累計80万部超の『1日1分レッスン! 新TOEIC TEST千本ノック!』ほか。

単語の知識だけで正答できる問題も

TOEICの勉強は、まず何から手を付ければよいか――この問いに3人の講師は、一致して「単語・文法」を挙げた。そもそも知らない単語ばかりでは、設問文を把握することすらままならない。逆にたとえ全文を完璧に理解できなくても、前後の単語を知っていれば推察で読み解ける余地が生まれようというもの。

さらに言えば、リスニングには聴かなくても、リーディングには読まなくても、単語や文法の知識だけで正解を導ける設問が少なからずある。TOEICはとにかく問題量が多いテストなので、時間配分が勝負を決する。見ただけで答えられれば、その分の時間を他の問題に充てることができる。

必要となる語彙数は目標スコアに比例するが、どのレベルの学習者も次回テスト(1カ月後として)までに1000語の上積みを目指したい。ヤル気があれば1週間で覚えられる量だ。あとは3週間かけて記憶を定着させる作業を繰り返す。

一方、文法については初級レベルで「中学英語」、中級以上でも「高校英語」のおさらいで十分だ。誰もが一度は習ったはずの内容なので、一通りやれば思い出せるだろう。その代わり知識に穴のないよう、しっかりと固めておきたい。文法は基礎中の基礎。ここを疎かにしては、どこかで必ず壁にぶち当たる。侮ってはいけない。