理事長とは一度もお会いしたことがありません

(以下は3月24日に追加で質問し、3月30日にメールで回答を得たものです)

【塩田】3月23日の国会での証人喚問で、森友学園の籠池理事長は、小学校設置の認可について、大阪府私立学校審議会が「認可適当」としたことの背景を聞かれ、「条件付き認可になったときには政治的背景があったと思う」と答弁しました。

【松井】「条件付き認可適当」は、私立学校審議会の答申に付された条件がクリアできれば、府として「認可」を行うというものです。森友学園のケースでは、学校の建設工事に関する契約締結状況や寄付金の受け入れ状況などを審議会に報告することが条件となっていました。それぞれの条件がクリアされなければ、当然、「認可」されないことになります。「条件付き認可適当」という文言が、あたかも認可されているかのような誤解を招くことになりましたので、教育長に、文言も含めて、答申のあり方について検討してもらうことにしています。

今回、教育長が「認可取り消し」を行ったのではなく、森友学園側が自ら申請を取り下げました。申請が取り下げられていますので、小学校設置の認可に関する審議は以後行われませんが、権限を持つ府の教育長において、なぜ3通りの工事契約書を作ったのかなど、申請書類をめぐる事実関係について、森友学園にしっかりと説明を求めていくことにしています。

【塩田】籠池理事長の「政治的背景」という発言をどう受け止めていますか。

【松井】私は小学校の認可について働きかけを受けていません。審議会会長も、そうした働きかけはいっさいないとおっしゃっています。

【塩田】籠池理事長は証人喚問で、松井府知事の名前を挙げ、「はしごを外された」と厳しく攻撃しました。

【松井】小学校設置認可の手続きについて、私がはしごを外したと発言されましたが、そもそも提出された申請書類に虚偽の記載があったとの疑いが強まる中、教育庁において事実確認を進めている最中に、森友学園が自ら申請を取り下げたのです。籠池理事長はいろいろ追い詰められ、最後に当たることができるのは私だけになって、私の名前を挙げたのだと思っています。

【塩田】籠池理事長と過去にどんな付き合いがありましたか。

【松井】籠池理事長が国会での証人喚問で、私と会ったことがないとおっしゃっていましたように、そもそもお付き合い以前に、理事長とは一度もお会いしたことがありません。

松井一郎(まつい・いちろう)
「日本維新の会」「大阪維新の会」代表・大阪府知事
1964(昭和39)年1月、大阪府八尾市生まれ(53歳)。福岡工業大学付属高校(現城東高校)を経て、福岡工業大学工学部電気工学科を卒業。大通、きんでん勤務の後、2003年の統一地方選挙での大阪府議選に八尾市選挙区から自民党公認で立候補して初当選(3期連続当選)。07年に自民党大阪府議団政調会長。09年に「自民党維新の会」を結成して政調会長となる。10年4月に橋下徹が代表を務める地域政党の「大阪維新の会」に参加して幹事長に就任。その後、党の離合集散や衣更えに伴って、橋下代表の下で日本維新の会幹事長、維新の党幹事長を務めた(14年12月まで)。一方、11年11月、橋下大阪府知事の辞任、大阪市長選への出馬に伴い、後任の大阪府知事を目指して知事選に出馬する。大阪府知事・大阪市長のダブル選を制して、府知事に当選(現在2期目)。15年12月に結成された国政政党「おおさか維新の会」(現日本維新の会)と地域政党である「大阪維新の会」の代表に就任して現在に至る。一男一女の父。
(熊谷武二=撮影)
【関連記事】
橋下徹"東京大改革と大阪都構想の共通点"
東国原英夫「小池さんはもっとぶっ飛ばさなくてはダメだ」
“カジノ法案”成立、実際の設置は「IR実施法」成立後
都民ファースト幹事長「自民党が奪った都民の5万円」
マツコ・デラックス提案「子どもにかかるお金は国が責任を」実現させるには