勤務先の年収や安定性は、結婚を大きく左右する。図3の「職業別未婚率」からも、それは明らかだ。非正規社員で未婚男性は81%もいるが、会社員(正規社員)ではわずか26.7%。年収や安定性が高い会社員のほうが、結婚には有利なのである。

図3:職業別未婚率
図を拡大
図3:職業別未婚率

ただし、非正規社員が未婚女性に不人気だからこうした結果になるのかといえば、そうとはいえない。私がこれまで数多くの未婚男女に取材してきた印象では、当の男性本人が「この年収では、妻子を養う自信がない」と気後れするケースがほとんど。一般的なデータでも、「結婚資金が足りない(から結婚できない)」と考える未婚男性が、25~34歳の約3割にものぼる(国立社会保障・人口問題研究所「第13回出生動向基本調査」)。

金銭面での自信のなさが、結婚への積極性を奪っているのだろう。それが非正規社員の未婚率を引き上げる。いずれにせよ、これも勤務先による影響であることには違いない。

ではさらに踏み込んで、業界や各企業ごとの「結婚力」はどうなっているのか。次回、オバタ氏と各企業の社員による匿名座談会をもとに、実態を探る。