Apple+Suica連合とGoogle+VISA連合

しかし、ウルトラCはあります。最近サービスを中止したSmartプラスというポストペイの電子マネーをニコスはもっています。それを復活させるという方法はあるかもしれません。ひょっとするとそちらで動いている可能性はあります。しかし、一度止めたものですから、再起動は時間がかかります。そんなことをするなら、初心に返った方が早いのではないでしょうか。VISAの本命はあくまで、タイプA、Bです。あと2~3年待てば、東京オリンピックがはじまります。

ですから、これからの注目点は、2020年までにタイプA、Bの端末が全国の店にどれだけ設置されて、どれだけ使われるようになるか、です。2012年のロンドンオリンピックの時には、VISAは直前までにロンドン中心に14万カ所に端末を配り終えて、間に合わせたといいますから、東京でも、そろそろ動きがあるでしょう。

グーグル+VISA陣営がもっとも恐れているのは、アップルペイの人気が沸騰して、タイプA、Bの端末の設置、切り替えを加盟店が嫌がり、フェリカ仕様でよいという雰囲気が出てくることです。それを和らげるためにも、楽天Edyを入れて対応したということでしょう(まず、フェリカに対応しないと日本市場は攻略できないと見切ったのではないでしょうか)。とにかく対応はしておいて、クレジットカード用として、タイプA、Bも入れてもらおうという戦略かもしれません。

いずれにしろ、これから、アップル+スイカ連合とグーグル+VISA連合との長い戦いがはじまるのです。それはカード、スマホ業界の盟主を決める戦いであり、厳しいものになると思われます。

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