「住宅ローン控除」の節税額は262万円

ローンを組んでマイホームを購入するなら、絶対にはずせないのが「住宅ローン控除」だ。

住宅ローン控除は、所得控除とは異なる「税額控除」というしくみで、節税額が大きいのが特徴だ。

住宅ローン控除では「年末のローン残高×1%」が所得税から差し引かれる。たとえば年末のローン残高が3000万円なら、控除額は1%の30万円で、すでに払った所得税から30万円が戻ってくる。もし所得税が30万円以下なら所得税が全額戻り、引ききれない分は、翌年支払う住民税から一定額まで差し引かれるしくみだ。

控除額は年間最大40万円、控除は10年間にわたって続く。なお、長期優良住宅や低炭素住宅の条件にあてはまる場合は、控除額が年間最大50万円にアップする。

前ページのAさんのケースでは、3000万円の住宅ローンを組んでマイホームを購入している。もし借入期間35年、固定金利1.6%とした場合、節税額がどれだけになるか計算したのが下の図だ。10年間の合計額は約262万円になる。

戻ってきた税金は使わずに、繰り上げ返済に充てるのが効果的だ。

これだけの控除を確実に受けるために、適用条件には十分に注意したい。

たとえば、床面積は50平方メートル以上が条件とされている。だが、

「住宅ローン控除の条件となる50平方メートルは、壁の内側で測った“登記簿面積”です。パンフレットに記載されているのは壁の中心で測った“壁芯面積”で、登記簿面積より少し広くなります」

購入時には、登記簿面積を確認することが不可欠だ。なお、中古住宅の場合、築年数も条件の一つとなっている。だが、これを超えていても、耐震性能があると認められれば控除が受けられることは、あまり知られていない。

「中古マンションの場合、管理組合を通じて耐震基準適合証明書を発行してもらう方法があります。古いというだけであきらめることはありません」

また、住宅ローン控除はリフォームにも使える点も、頭に入れておきたい。

なお、住宅ローン控除の制度は、政策によって数年ごとに変更される。マイホーム購入を検討している人は、ニュースを常に確認することが大切だ。