ノーリスクで確実な利益は最優先でゲットすべき

「少しでも早く危機を認識すること、そして、今すぐ準備を始めること。それが唯一にして最強の手段です」

と語るのは、ファイナンシャル・プランナーの藤川太氏だ。

堅実なサラリーマンだけが持つ強力な武器は、「長期にわたって安定収入があること」だ。これを最大限に活かし、着実に貯蓄を積み上げていくことで、危機の制圧が可能になる。

そして、この長い闘いに必須なのが“有利な税制を味方につける”ことだ。

「なんだ、税金か」と思った人もいるかもしれない。

多くのサラリーマンは税金が苦手だ。それは、所得税や住民税を給料から源泉徴収されているため、税金を知らなくても暮らせるからにほかならない。

だが、もし知らないために生涯で何百万円も損するとしたらどうだろう? たとえば、個人型DC(確定拠出年金)。毎月2万円を積み立てれば、一般的な収入の人なら年間4万8000円もの節税になる。38年続ければ、200万円近い金額になる計算だ。

この個人型DCは会社員のうち約6割の人が使えるが、実際の利用者はそのうち4%ほどしかいないという。

「確実にメリットの得られる制度は、最優先でどんどん利用すべきです。積み立てするならまず個人型DC。そして、余裕があるならNISAを利用するのがおすすめです」(藤川氏、以下同)

NISAは株や投信の運用益が非課税になる制度で、積み立て投資に有効。2013年にスタートしたが、現役世代の利用者はまだ少ないのが現状だ。

このほか、最大500万円もの節税効果を得られる住宅ローン控除など、利用できる税制はまだまだある。

正々堂々、ノーリスクで確実にメリットを得られるのが税制の活用だ。だが、知らないままでいれば、このメリットは決して得られない。

直面する経済危機と闘うために利用すべき制度を次ページから詳しく紹介しよう。