節税を知らないと何百万円も損をする

勤務先の倒産、思わぬリストラ、妻の浪費――サラリーマン人生には、さまざまな危機が待ち受けている。

だが、そんな憂き目に遭わずとも、つつがなく勤め、ごく当たり前の生活を送るだけで、サラリーマンは人生で3度も経済危機に直面するのだ。

まず、下図を見てほしい。このグラフは、ごく平均的なサラリーマンAさんの生涯で、預貯金残高がどう推移するかを表したものだ。

Aさんは大卒後、中堅企業に就職、30歳で一つ下の妻と結婚し、子どもは2人。40歳で相応のマイホームを購入、子どもたちは大学を無事に4年で卒業して独立。60歳で定年退職し、65歳まで再雇用で勤め、その後は年金生活に入る設定だ。

そんな堅実な暮らしぶりのAさんに第1の危機が訪れるのはマイホーム購入の直後。貯金の大部分を頭金に使ってしまうことで残高が激減、妻がパートで家計を助けるものの、ローン返済やマンションの維持費がかかり、貯金がなかなか増えない状況が続く。

そこに、子どもたちの大学進学が第2の危機として襲いかかる。特に子どもが2人とも大学に通う間は、年間100万円以上の赤字となり、貯蓄残高は再びどん底まで追い詰められる。

下の子が大学を卒業すると家計はやっと一息つくが、すでに定年退職は目前だ。退職金で預貯金残高は一瞬増えるものの、再雇用では収入が半減し、赤字生活に突入する。年金生活に入れば公的年金だけでは生活費が不足するため、預貯金の減少が続く。これが人生最後に起きる第3の経済危機だ。

真面目に働くサラリーマンのささやかな幸せをも打ち砕く3つの危機。この切ない状況に、なにか打開策はないのだろうか?