上司との一杯も貴重な人脈づくり

戸塚さんがいま手がけている事業に「CLUB900」というビジネス英語研修プログラムの普及がある。留学先だったハーバード・ビジネス・スクールのケーススタディ教材を応用したものなのだが、「この事業を始めるときも、友人たちはプログラムの『ここがいい』『ここが悪い』と、忌憚なく意見をいってくれて、とても助かりました。友人の有り難さが身にしみてわかりました」と振り返る。

CLUB900の教室には、さまざまな企業のビジネスマンが参加していて、「職場とは別の空間のなかで、全員が共通の目的に向かって取り組むので、お互いが親密になりやすい環境です。仕事以外の人脈を広げるのにも役立っています」と戸塚さんは話す。

さらに戸塚さんは、どんな出会いでも大切にすべきだという。戸塚さんは、ゴールドマン・サックスやマッキンゼー&カンパニーでの勤務経験もあるが、そのときの上司や先輩、同僚とは、いまだに交流があるそうだ。

「お酒が好きなこともあってサラリーマン時代には、上司や先輩に誘われると進んで飲みにいっていました。だから、いまでも個人的な付き合いがあるんでしょうね。酒の席では、職場では話せないことも話せたりするので、人間関係はより深まります」

会社の上司や先輩は、常に目の前にいる存在であり、もしかして“灯台もと暗し”になってはいないだろうか。「ノミュニケーション」を機に社内の人脈を深掘りするのも、貴重な人脈づくりなのだ。

経営コンサルタント 戸塚隆将

1974年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業。ゴールドマン・サックス勤務を経て、ハーバード経営大学院でMBAを取得。マッキンゼー&カンパニー勤務の後、2007年にシーネクスト・パートナーズを設立し社長に就任。グローバル事業開発などを支援している。
(南雲一男、宇佐見利明、加々美義人=撮影)
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