調査会社の米IDCによると、VR(仮想現実)とAR(拡張現実)のハードウエア製品の全世界における出荷台数は、2016年に1000万台に達する見込みだ。来年以降も出荷台数は拡大を続け、20年には1億1000万台に達するとしている。
国内におけるVRやARの普及について、VR製品・サービスを開発しているカディンチェの青木崇行代表取締役社長は、「すでにスマートフォンの普及率が高いことから、スマホを用いたVRの普及が最も有力だと考えています」と語る。今年に入ってPC向けのVR用ヘッドマウントディスプレーであるOculus RiftやHTC Viveの販売が始まり、10月にはPlayStationと接続して使うPlayStationVRが発売されるなど、専用ハードも続々登場している。青木社長は「それらの機器を使うにはPCやゲーム機が必要になるため、価格の面でもスマホが優勢だと考えています」と話す。
VRやARはどのような分野で普及するのだろうか。青木社長は「スポーツ、コンサート、旅行、アダルトなどのエンターテインメント分野で多く利用されるでしょう」と指摘する。カディンチェは遠隔地の様子を360度でみられる動画のライブストリーミングシステム「PanoPlazaLive」を開発・運用している。
(大橋昭一=図版作成)